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2006年5月28日 (日)

「秋山清紀行 5」

 秋山には戦前、三冊の著書がある。いずれも高山慶太郎名義で『南洋の林業』、『チークの話』、『日本の木、南の木』とすべて、木材関係の専門書や入門書である(戦後の著書はもちろんすべて秋山名義)。秋山が参加していたアナキズム系詩紙『文学通信』(三五年終刊)には、局(つぼね)清詩集『山羊詩篇』の近刊予告が載っていたが、刊行されることはなかったようだ。戦後も、この高山、局のふたつの筆名は秋山名義と並行して、六十年代末頃までしばしば使われていた(それ以外にも、夏川小吉、秋村清司など多くの筆名を使用している)。局は、母方の姓であり、秋山の出自にまつわることを考えれば、局清という筆名に、ひとつの想いと強い意志が感じられる。高山はどうだろうか。筆名のいわれに諸説あっていまひとつ確かなことは分からない。それでも著書が三冊もあることを思えば、重い意味を込めているといっていいだろう。わが国では戦前はもちろんのこと、戦後しばらく木材事業は重要産業であった。秋山は、木材通信社という業界紙を発行する会社に勤めていたが、国家基幹産業に関係する仕事に従事しているというよりは、年少の時から草花や木々が好きだったことを考えれば、熱意を持って仕事を遂行していたように思う。

(「秋山清ワールド・秋山清著作集Website」、『図書新聞』06.6.3号)

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