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2006年4月26日 (水)

「秋山清紀行 1」

 秋山清は、日露戦争が開戦された二ヵ月後に生れている。このように記すとなにか日本近代草創期の人のように見えるかもしれないが、同年生れを列挙してみれば、もう少し違った見方をしたくなる。片岡千恵蔵(東映時代劇スター)、美濃部亮吉(東京都知事)、三浦敬三(スキーヤー、三浦雄一郎の父)、桑原武夫(フランス文学者)、笠智衆(俳優)、佐多稲子(作家)、幸田文(作家)、榎本健一(喜劇俳優)、古賀政男(作曲家)、藤本定義(阪神球団監督)、堀辰雄(作家)と、並べてみると、四十八歳で亡くなった堀辰雄から先頃一〇一歳で亡くなった三浦敬三まで、確かな立ち位置をもって粘り強い生き方をしている人たちといったイメージが浮かび上がってくる。かつて埴谷雄高は秋山清の粘りに粘る「説得」ぶりの強さを述べていたことがある。この粘り強さというものは、自分自身が拘り続ける思考の切実さからくるものであることを示している。そういう秋山にとって明治四十三年、六歳の時に抱いたふたつの出来事の記憶は後年まで忘れることができないものであった。それは、七十六年後、二度目の体験をすることになるハレー彗星の大接近であり、幸徳秋水、管野スガらによる大逆事件である。

(「秋山清ワールド・秋山清著作集Website」、『図書新聞』06.2.4号)

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